DH制のあるリーグの方が打力は上なのか?

  • 2020年5月14日
  • 2020年5月16日
  • Baseball

つい先日MLBが7月初旬の開幕を目指すとの報道がありました。NPBも6月下旬の開幕を目指しているそうです。イチファンとしては野球がないはとても寂しく、見たい気持ちでいっぱいですがなかなか難しい状況ではあるので果たしてどうなるのか…とにかく無事にそして安全な形になるといいなと思っています。そんな中でこんな気になる記事を見つけました。

大谷翔平のリアル二刀流は来年以降に…MLBが両リーグDH制を採用する3つの理由

ナ・リーグはDH制あり、ア・リーグはDH制なし

今までア・リーグはDH制がなく、ピッチャーもバッターボックスに立っていましたが今シーズンに限ってはア・リーグもDH制を導入するのではということです。理由は記事にある通り過密日程による投手の負担軽減や移動軽減のためにインターリーグ(ナ・リーグとア・リーグの対戦)が増えるのでということです。近年のMLBでは両リーグにDH制を導入すべきではという声が高まっているところでもありましたのでテスト的な意味合いも含まれている気がします。

2019年のMLB全体のホームラン数は史上最多

さて、この記事を見て思ったのが「昨年よりホームランが増えないか?」「よりバッターが有利にならないか?」ということでした。少し前の記事でも書きましたがフライボールレボリューションのおかげで近年MLBではホームランの数が激増しています。去年はMLB全体のホームラン数は史上最多で、なんと今まで越えることのなかった300本超えのチームが2チームも出るという事態が発生しました。この両リーグでのDH制導入がその流れに拍車を掛けることになるのではと。(試合数は減るので合計本数は減るので1試合あたりの本数が増えるのではという話が正しいですね。)

ただ、これは「DH制があるリーグの方がバッティング成績が良いのか?」という前提が必要です。なので今回は2019年のMLBのデータを調べてみました。

■2019年のホームラン数TOP10チーム

順位チーム名リーグホームラン数
1ミネソタ・ツインズAL307
2ニューヨーク・ヤンキースAL306
3ヒューストン・アストロズAL288
4ロサンゼルス・ドジャースNL279
5オークランド・アスレチックスAL257
6シカゴ・カブスNL256
7ミルウォーキー・ブルワーズNL250
8アトランタ・ブレーブスNL249
9トロント・ブルージェイズAL247
10ボストン・レッドソックスAL245

まずおさらいとしてMLBでDH制があるのはナ・リーグ(NL)でア・リーグ(AL)はDH制がありません。

上の表のホームラン数で見ると1位、2位は共にDH制のないア・リーグで、さらに3位のヒューストン・アストロズもア・リーグとなっています。ナ・リーグのトップは4位のロサンゼルス・ドジャースとなっています。TOP10に入った数で言うとア・リーグが6チーム、ナ・リーグが4チームでア・リーグが少し優勢です。

リーグ毎のホームラン合計数で見ると…

ちなみにリーグ別の合計で見るとア・リーグが3,478本で、ナ・リーグが3,298本。つまりホームラン数で見るとDH制のないア・リーグの方が優勢という結果に。投手を除いた選手の打数で見るとナ・リーグの方が多いハズなのでナ・リーグの方がホームランは多くて然るべきと思ったのですが違いましたね…やっぱり去年300本超えをした2チームがア・リーグなのが大きそうな気がします。

ただ、あくまでもこれは絶対数の問題なので次は率で見てみたいと思います。

■2019年の打率TOP10チーム

順位チーム名リーグAVG
1ヒューストン・アストロズAL0.274
2ミネソタ・ツインズAL0.27
3ボストン・レッドソックスAL0.269
4ニューヨーク・ヤンキースAL0.267
5ワシントン・ナショナルズNL0.265
6コロラド・ロッキーズNL0.265
7ピッツバーグ・パイレーツNL0.265
8シカゴ・ホワイトソックスAL0.261
9アトランタ・ブレーブスNL0.258
10ロサンゼルス・ドジャースNL0.257

今回も1位から4位までがDH制のないア・リーグという結果になりました。ナ・リーグのトップは5位のワシントン・ナショナルズとなっています。TOP10に入った数で言うとア・リーグが5チーム、ナ・リーグが5チームで同点です。

リーグ毎の打率

なのでホームラン同様にリーグ別の合計で見るとア・リーグが83,557打数の21,154安打で打率0.253、ナ・リーグが83,094打数の20,885安打で打率0.251で僅かではありますがア・リーグの方が上回っています。こちらもア・リーグは投手が入る分、打率が下がるかなと思ったのですがナ・リーグを上回る結果に。

あと他の指標も見てとは思いつつ、やはりこれを見る限りだと「DH制のあるなしよりもどのリーグにどのチームがいるかの方が大きそう」という感じです。特にホームランは顕著でア・リーグにツインズ、ヤンキース、アストロズがいる時点でDH制のあるなしはあまり関係なさそうです。どちらかと言うとあとはパークファクターとか加味して見た方が良さげな気もしますが今回は割愛します。

というわけでDH制のあるなしの比較をしてみましたが今シーズンのMLBの開幕を待ちつつ、両リーグにDH制が導入された場合にどうなるかも注視していきたいと思います。DH制がある方が良い数字にはならなかったですが、ツインズやヤンキースがDH制使うとさらにホームランが増えそうな気も…。

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