先日とあるWeb飲み会にお誘い頂きました。野球好きの皆さんが集まる会で1つのお題が与えられていました。それは「予算10億円で最強のプロ野球チームを作る」ということ。というわけで僕もかなり真剣に考え、チームを作ってみました。今回はそのチームをこちらで発表してみたいと思います。
■ルール
・投手は先発、中継ぎ、抑えの3名、野手は捕手からDHの9名で合計12名
・12人で予算10億円以内とする
・年俸は週刊ベースボール 2020年 02/03号を参照(2020年の年俸)
・山本由伸は禁止
以上が今回のルールとなっています。最後の山本由伸が禁止というのは明らかに彼の実力を考えると年俸が割安で全員が先発に指名してしまう可能性があるからということでした。発表する際に全員同じだと面白くないのでとっても良い縛りだと思います。けど指名したかった(笑)
■チーム編成
考え方
今回は「好きなチーム」ではなく、あくまでも「最強のチーム」を作ることを目的としています。ただ、「強い」の定義は野手であれば野手であれば打率、本塁打、打点、投手であれば勝利数、防御率、奪三振など評価項目が多岐に渡り、比較が難しい!!そこでこのブログを読んでくれている方ならピンとくる方も多いかと思いますが今回はセイバーメトリクスの総合指標でもあるWARを強さとして定義しました。
「チーム総合WARが高い」=「強いチーム」
なお、今回もWARは1.02 – Essence of Baseballの2019年の数値を参照しています。
選手の選び方
各ポジション合計12人で予算10億円なので1人平均8,500万円以下になる必要があります。まず各ポジションごとに予算内で最もWARが高い選手を選んで行きます。
ファーストオーダー
ポジション | 名前 | 球団 | WAR | 年俸 | ||
先発 | 高橋遥人 | 阪神 | 3.0 | 22,000,000円 | ||
中継ぎ | 島本浩也 | 阪神 | 2.1 | 37,000,000円 | ||
抑え | 中川皓太 | 巨人 | 2.5 | 55,000,000円 | ||
捕手 | 中村悠平 | ヤクルト | 3.5 | 80,000,000円 | ||
一塁手 | 井上晴哉 | ロッテ | 2.5 | 55,000,000円 | ||
二塁手 | 阿部寿樹 | 中日 | 3.7 | 30,000,000円 | ||
三塁手 | 高橋周平 | 中日 | 2.6 | 60,000,000円 | ||
遊撃手 | 茂木栄五郎 | 楽天 | 4.9 | 81,000,000円 | ||
外野手 | 荻野貴司 | ロッテ | 5.6 | 78,000,000円 | ||
外野手 | 神里和毅 | 横浜 | 3.0 | 48,000,000円 | ||
外野手 | 福田永将 | 中日 | 2.7 | 65,000,000円 | ||
DH | 西川龍馬 | 広島 | 1.7 | 70,000,000円 | ||
合計 | 37.8 | 681,000,000円 | ||||
余剰資金 | 319,000,000円 |
ポジション | 名前 | 球団 | WAR | 年俸 | 適正年俸 | 倍率 |
先発 | 高橋遥人 | 阪神 | 3.0 | 22,000,000円 | 248,130,000円 | 11.28 |
中継ぎ | 島本浩也 | 阪神 | 2.1 | 37,000,000円 | 173,691,000円 | 4.69 |
抑え | 中川皓太 | 巨人 | 2.5 | 55,000,000円 | 206,775,000円 | 3.76 |
捕手 | 中村悠平 | ヤクルト | 3.5 | 80,000,000円 | 289,485,000円 | 3.62 |
一塁手 | 井上晴哉 | ロッテ | 2.5 | 55,000,000円 | 206,775,000円 | 3.76 |
二塁手 | 阿部寿樹 | 中日 | 3.7 | 30,000,000円 | 306,027,000円 | 10.2 |
三塁手 | 高橋周平 | 中日 | 2.6 | 60,000,000円 | 215,046,000円 | 3.58 |
遊撃手 | 茂木栄五郎 | 楽天 | 4.9 | 81,000,000円 | 405,279,000円 | 5.00 |
外野手 | 荻野貴司 | ロッテ | 5.6 | 78,000,000円 | 463,176,000円 | 5.94 |
外野手 | 神里和毅 | 横浜 | 3.0 | 48,000,000円 | 248,130,000円 | 5.17 |
外野手 | 福田永将 | 中日 | 2.7 | 65,000,000円 | 223,317,000円 | 3.44 |
DH | 西川龍馬 | 広島 | 1.7 | 70,000,000円 | 140,607,000円 | 2.01 |
合計 | 37.8 | 681,000,000円 | 3,126,438,000円 | |||
余剰資金 | 319,000,000円 |
1番右の倍率が高ければ高いほど割安となっており、低いほど割安でないという表になります。この倍率を見ると入れ替えの対象としてはDH、外野手、三塁手、捕手あたりが候補になります。これらのポジションを候補として、予算内でWARが高い選手を探していきます。余談ですが高橋遥人の割安性が半端ない…2020年は先発専念でどれぐらい結果を出してくれるかとっても楽しみです。
ラストオーダー<適正年俸付き>
ポジション | 名前 | 球団 | WAR | 年俸 | 適正年俸 | 倍率 |
先発 | 今永昇太 | 横浜 | 5.2 | 136,000,000円 | 430,092,000円 | 3.16 |
中継ぎ | 島本浩也 | 阪神 | 2.1 | 37,000,000円 | 173,691,000円 | 4.69 |
抑え | 中川皓太 | 巨人 | 2.5 | 55,000,000円 | 206,775,000円 | 3.76 |
捕手 | 中村悠平 | ヤクルト | 3.5 | 80,000,000円 | 289,485,000円 | 3.62 |
一塁手 | 井上晴哉 | ロッテ | 2.5 | 55,000,000円 | 206,775,000円 | 3.76 |
二塁手 | 阿部寿樹 | 中日 | 3.7 | 30,000,000円 | 306,027,000円 | 10.2 |
三塁手 | 高橋周平 | 中日 | 2.6 | 60,000,000円 | 215,046,000円 | 3.58 |
遊撃手 | 茂木栄五郎 | 楽天 | 4.9 | 81,000,000円 | 405,279,000円 | 5.00 |
外野手 | 荻野貴司 | ロッテ | 5.6 | 78,000,000円 | 463,176,000円 | 5.94 |
外野手 | 神里和毅 | 横浜 | 3.0 | 48,000,000円 | 248,130,000円 | 5.17 |
外野手 | 外崎修汰 | 西武 | 6.3 | 140,000,000円 | 521,073,000円 | 3.72 |
DH | 森友哉 | 西武 | 7.8 | 200,000,000円 | 645,138,000円 | 3.22 |
合計 | 49.7 | 1,000,000,000円 | 4,110,687,000円 | |||
余剰資金 | 0円 |
まずもっとも割安でなかった西川龍馬を昨季パリーグMVPの森友哉と入れ替え。西川龍馬の倍率は2.0に対して森友哉は3.2なので割安性を改善させて、さらにWARを上げることに成功しています。次に福田永将を外崎修汰に入れ替え。外崎は昨シーズン内野でしたが、一昨年まで外野も守っているというウルトラC的なのもありますが…。こちらも福田が倍率3.4に対して外崎が3.7なので森友哉同様に良い入れ替えと言えるでしょう。
この時点で残金は1億円ちょっと。セオリー通りにいくのであれば三塁手の高橋周平や捕手の中村悠平の入れ替え選手を狙うべきなのですが、予算内でより割安な選手が見つからず…。そこで他にWARが高く、年俸が比較的安い選手がいないかを探したところWAR5.2で年俸1.36億円の今永昇太を発見。さきほど触れたように高橋遥人が最も割安なので入れ替えたくなかったのですが、これ以外に良いチョイスが見つからず泣く泣く入れ替えることにしました。が、この入れ替えでジャスト10億円でチーム総合WAR49.7のチームが出来上がりました。
■オーダーの考察
では僕が作ったこのオーダーが本当に強いのか?という疑問があるので検証してみました。下記は過去2年のセパ両リーグの優勝チームの総合WARです。
年度 | チーム | 野手WAR | 投手WAR | 合計WAR |
2019 | 西武 | 30.1 | 17.6 | 47.7 |
2019 | 巨人 | 18.5 | 28.3 | 46.8 |
2018 | 西武 | 35.8 | 21.4 | 57.2 |
2018 | 広島 | 25.9 | 20.5 | 46.4 |
平均WAR | 49.5 |
平均49.5となっており、ほぼ同等となっており、よって「このチームで優勝は可能」と言える。つまりは、ゴールの「強いチーム」は達成されている(はず…)。ということになりました。まぁ野球は12人でやるわけではないですし、あくまでも理論上ではありますが。
ちなみに今回はみんなで出したオーダーを2020シーズンが終わったらWARを割り当てて答え合わせをするということになっており、とっても楽しみです(笑)
■振り返り/感想
最後に今回のオーダーを考える際の振り返りや感想を載せておきます。
・WARを使うことについて
今回は2019年単年のWARを使っており、2019年のみ活躍という可能性もあり、正確度を上げていくのであれば過去3年平均などを使うべき。(MLBでは主流)
・代替選手の選定について
高橋遥人が最も効率が良かったが先発以外のポジションで入れ替え不可だった。
選んだ中継ぎ、抑えのWARが低いので選手の入れ替えをしたかったが、WAR自体があまり中継ぎ、抑えは高くならないので難しかった。
・年俸について
外国人選手が多いDHや一塁は基本的に年俸が割高で良い選手がいなかった。
先発投手も基本的には年俸が高く山本由伸以外は割安さは低い。
また、球団で見るとやはり巨人、ソフトバンクは全体的に高く、自分が選んだオーダーでもソフトバンクの選手は誰も入っていない。
逆に予想通りだが中日、阪神、ロッテは比較的割安な選手が多かった。
以上になります。プロ野球が開幕してない今だからこそ楽しめる企画でもあります。みなさんもぜひ考えてみてください。そして考えたらぜひ教えてください!
P.S 実際の飲み会ではプレゼン資料作って発表したのですが機会があればアップします。