予算10億円で最強のプロ野球チームを作ってみた

  • 2020年5月23日
  • 2020年5月23日
  • Baseball

先日とあるWeb飲み会にお誘い頂きました。野球好きの皆さんが集まる会で1つのお題が与えられていました。それは「予算10億円で最強のプロ野球チームを作る」ということ。というわけで僕もかなり真剣に考え、チームを作ってみました。今回はそのチームをこちらで発表してみたいと思います。

■ルール

・投手は先発、中継ぎ、抑えの3名、野手は捕手からDHの9名で合計12名
・12人で予算10億円以内とする
・年俸は週刊ベースボール 2020年 02/03号を参照(2020年の年俸)
・山本由伸は禁止

以上が今回のルールとなっています。最後の山本由伸が禁止というのは明らかに彼の実力を考えると年俸が割安で全員が先発に指名してしまう可能性があるからということでした。発表する際に全員同じだと面白くないのでとっても良い縛りだと思います。けど指名したかった(笑)

■チーム編成

考え方

今回は「好きなチーム」ではなく、あくまでも「最強のチーム」を作ることを目的としています。ただ、「強い」の定義は野手であれば野手であれば打率、本塁打、打点、投手であれば勝利数、防御率、奪三振など評価項目が多岐に渡り、比較が難しい!!そこでこのブログを読んでくれている方ならピンとくる方も多いかと思いますが今回はセイバーメトリクスの総合指標でもあるWARを強さとして定義しました。

「チーム総合WARが高い」=「強いチーム」

なお、今回もWARは1.02 – Essence of Baseballの2019年の数値を参照しています。

選手の選び方

各ポジション合計12人で予算10億円なので1人平均8,500万円以下になる必要があります。まず各ポジションごとに予算内で最もWARが高い選手を選んで行きます。

ファーストオーダー

ポジション名前球団WAR年俸
先発高橋遥人阪神3.022,000,000円
中継ぎ島本浩也阪神2.137,000,000円
抑え中川皓太巨人2.555,000,000円
捕手中村悠平ヤクルト3.580,000,000円
一塁手井上晴哉ロッテ2.555,000,000円
二塁手阿部寿樹中日3.730,000,000円
三塁手高橋周平中日2.660,000,000円
遊撃手茂木栄五郎楽天4.981,000,000円
外野手荻野貴司ロッテ5.678,000,000円
外野手神里和毅横浜3.048,000,000円
外野手福田永将中日2.765,000,000円
DH西川龍馬広島1.770,000,000円
合計37.8681,000,000円
余剰資金319,000,000円

なるほど。我ながらなかなか地m(ry、あ、いや、素晴らしいチームになったかと思います。ロッテの荻野貴司、楽天の茂木栄五郎は2019年の活躍が素晴らしかったので納得のチーム入りですし、何よりも2人とも8,5000万円以下とは驚き。投手はちょっと馴染みがない名前が多いかもですが、2019年活躍した選手が揃っているので個人的に納得感があります。巨人の中川皓太とかとっても良い選手ですよね。が、しかし、嬉しいことにまだ余剰資金が3億と少しあります。そこでこの中から何名かを選び、よりWARが高い選手に入れ替えたいと思います。ではどうやって入れ替える選手を選ぶのかを説明します。

選手の選び方<ブラッシュアップ編>

2019年に”最も年俸で得をした”球団はどこか【NPB編】

以前、上記の投稿で2019年のNPB全体が1WARに対していくら払っているのかを算出しました。今回はその1WARあたり8,271万円という数字を使い、さきほど選んだ選手のWARにその金額を掛けて、適正年俸と来期年俸を比較して割安性を出します。その中であまり割安ではない選手を優先的に代替選手を探し、10億円に近づけるといった方法を取ります。

ファーストオーダー<適正年俸付き>

ポジション名前球団WAR年俸適正年俸倍率
先発高橋遥人阪神3.022,000,000円248,130,000円11.28
中継ぎ島本浩也阪神2.137,000,000円173,691,000円4.69
抑え中川皓太巨人2.555,000,000円206,775,000円3.76
捕手中村悠平ヤクルト3.580,000,000円289,485,000円3.62
一塁手井上晴哉ロッテ2.555,000,000円206,775,000円3.76
二塁手阿部寿樹中日3.730,000,000円306,027,000円10.2
三塁手高橋周平中日2.660,000,000円215,046,000円3.58
遊撃手茂木栄五郎楽天4.981,000,000円405,279,000円5.00
外野手荻野貴司ロッテ5.678,000,000円463,176,000円5.94
外野手神里和毅横浜3.048,000,000円248,130,000円5.17
外野手福田永将中日2.765,000,000円223,317,000円3.44
DH西川龍馬広島1.770,000,000円140,607,000円2.01
合計37.8681,000,000円3,126,438,000円
余剰資金319,000,000円

1番右の倍率が高ければ高いほど割安となっており、低いほど割安でないという表になります。この倍率を見ると入れ替えの対象としてはDH、外野手、三塁手、捕手あたりが候補になります。これらのポジションを候補として、予算内でWARが高い選手を探していきます。余談ですが高橋遥人の割安性が半端ない…2020年は先発専念でどれぐらい結果を出してくれるかとっても楽しみです。

ラストオーダー<適正年俸付き>

ポジション名前球団WAR年俸適正年俸倍率
先発今永昇太横浜5.2136,000,000円430,092,000円3.16
中継ぎ島本浩也阪神2.137,000,000円173,691,000円4.69
抑え中川皓太巨人2.555,000,000円206,775,000円3.76
捕手中村悠平ヤクルト3.580,000,000円289,485,000円3.62
一塁手井上晴哉ロッテ2.555,000,000円206,775,000円3.76
二塁手阿部寿樹中日3.730,000,000円306,027,000円10.2
三塁手高橋周平中日2.660,000,000円215,046,000円3.58
遊撃手茂木栄五郎楽天4.981,000,000円405,279,000円5.00
外野手荻野貴司ロッテ5.678,000,000円463,176,000円5.94
外野手神里和毅横浜3.048,000,000円248,130,000円5.17
外野手外崎修汰西武6.3140,000,000円521,073,000円3.72
DH森友哉西武7.8200,000,000円645,138,000円3.22
合計49.71,000,000,000円4,110,687,000円
余剰資金0円

まずもっとも割安でなかった西川龍馬を昨季パリーグMVPの森友哉と入れ替え。西川龍馬の倍率は2.0に対して森友哉は3.2なので割安性を改善させて、さらにWARを上げることに成功しています。次に福田永将を外崎修汰に入れ替え。外崎は昨シーズン内野でしたが、一昨年まで外野も守っているというウルトラC的なのもありますが…。こちらも福田が倍率3.4に対して外崎が3.7なので森友哉同様に良い入れ替えと言えるでしょう。

この時点で残金は1億円ちょっと。セオリー通りにいくのであれば三塁手の高橋周平や捕手の中村悠平の入れ替え選手を狙うべきなのですが、予算内でより割安な選手が見つからず…。そこで他にWARが高く、年俸が比較的安い選手がいないかを探したところWAR5.2で年俸1.36億円の今永昇太を発見。さきほど触れたように高橋遥人が最も割安なので入れ替えたくなかったのですが、これ以外に良いチョイスが見つからず泣く泣く入れ替えることにしました。が、この入れ替えでジャスト10億円でチーム総合WAR49.7のチームが出来上がりました。

■オーダーの考察

では僕が作ったこのオーダーが本当に強いのか?という疑問があるので検証してみました。下記は過去2年のセパ両リーグの優勝チームの総合WARです。

年度チーム野手WAR投手WAR合計WAR
2019西武30.117.647.7
2019巨人18.528.346.8
2018西武35.821.457.2
2018広島25.920.546.4
平均WAR49.5

平均49.5となっており、ほぼ同等となっており、よって「このチームで優勝は可能」と言える。つまりは、ゴールの「強いチーム」は達成されている(はず…)。ということになりました。まぁ野球は12人でやるわけではないですし、あくまでも理論上ではありますが。

ちなみに今回はみんなで出したオーダーを2020シーズンが終わったらWARを割り当てて答え合わせをするということになっており、とっても楽しみです(笑)

■振り返り/感想

最後に今回のオーダーを考える際の振り返りや感想を載せておきます。

・WARを使うことについて
今回は2019年単年のWARを使っており、2019年のみ活躍という可能性もあり
正確度を上げていくのであれば過去3年平均などを使うべき。(MLBでは主流)

・代替選手の選定について
高橋遥人が最も効率が良かったが先発以外のポジションで入れ替え不可だった。
選んだ中継ぎ、抑えのWARが低いので選手の入れ替えをしたかったが、WAR自体があまり中継ぎ、抑えは高くならないので難しかった。

・年俸について
外国人選手が多いDHや一塁は基本的に年俸が割高で良い選手がいなかった。
先発投手も基本的には年俸が高く山本由伸以外は割安さは低い。
また、球団で見るとやはり巨人、ソフトバンクは全体的に高く、自分が選んだオーダーでもソフトバンクの選手は誰も入っていない。
逆に予想通りだが中日、阪神、ロッテは比較的割安な選手が多かった。

以上になります。プロ野球が開幕してない今だからこそ楽しめる企画でもあります。みなさんもぜひ考えてみてください。そして考えたらぜひ教えてください!

P.S 実際の飲み会ではプレゼン資料作って発表したのですが機会があればアップします。

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