菅野の球速が3km/hもUP?プロ野球開幕3連戦データあれこれ

  • 2020年6月23日
  • 2020年6月23日
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6月19日(金)に無事プロ野球が開幕しました。開幕当日はハマスタの横浜対広島、神宮のヤクルト対中日は雨のせいで試合中止かなと思ったものの、意地で試合を開催した感じですが無事に終わって何よりでした。僕自身も友人の皆さん(元プロもいるという豪華メンツ)とzoomしながら観戦しており、あまりにも嬉しくて4試合も同時に見るという荒業をしながら開幕を楽しんでおりました。やっぱり野球がある生活って最高ですね。ヤクルトが3連勝していればもっと最高でしたが…。

さて、今回はまだ3試合しか消化していないですがあまりにも野球がある生活が嬉しいので開幕3試合のデータについて見ていければと思います。

ちなみに打率とか防御率みたいなのはスポナビあたりで見ていただき、今回は少し異なる視点で見ていければと思います。

■打撃編

・フライ割合(FB%)

昨今流行りのフライボールレボリューションのおかげで注目されつつある指標。計算式としては下記のようになっています。

FB%=フライ打球÷(ライナー打球+ゴロ打球+フライ打球)
出典:1.02 – Essence of Baseball

実際にゴロ、ライナー、外野フライ、内野フライの分類の中で「外野フライ」が最もヒットになる確率が高いというのがデータから証明されています。そこで開幕3連戦のフライ割合(FB%)の上位と下位を規定打席到達者から見てみます。

上位5名

順位名前チームFB%GB%LD%打率wOBA
1ロペス横浜0.8460.0770.077.154.225
2田中広輔広島0.8330.1670.273.385
3レアードロッテ0.7780.2220.333.489
4ソト横浜0.750.250.273.398
4田村龍弘ロッテ0.750.250.143.253

下位5名

順位名前チームFB%GB%LD%打率wOBA
1丸佳浩巨人010.083.072
1角中勝也ロッテ00.80.2.154.173
1甲斐拓也ソフトバンク00.80.2.200.173
4安田尚憲ロッテ0.1250.8750.000.063
4長谷川勇也ソフトバンク0.1250.6250.25.400.420

※GB%はゴロ割合、LD%はライナー割合を意味します。

上位5名、下位5名をピックアップしました。評価指標としては上記でヒット割合について言及したので打率、さらには昨今ではバッティングを測る上で最も適していると言われているwOBA(=1打席当たりの打撃による得点貢献)を採用しました。

まず上位5名を見てみると打率、wOBA共にそこそこという感じとなっており、打率、wOBA共に最も高いレアードですが打率は球界で22位、wOBAは13位となっており、まずまずという成績と言えます。一方で、他の上位4名はそれ以下なので秀でて成績が良いというわけではありません。

次に下位4名を見てみると打率、wOBA共に悲惨な数字が並びます。長谷川勇也のみ例外的ですが、安田尚憲に至っては打率も.000でwOBAも.073と共に球界で下から5番目に以内に入る数字です。(打率は0なので当然ですが…)

まだ始まったばかりですし、一概には言い切れないですがやはりフライ割合が低いと打撃の成績は良くなさそうです…。ちなみに阪神のボーアも2試合目を終わった時点では外野まで飛んだ打球が0という結果になっていました。

・Hard%(速い打球の割合)

フライボールレボリューションでは上述したフライ割合同様に打球の速度が重要と言われています。厳密には打球の角度と打球速度が一定の条件を満たすと「バレル」と呼ばれるゾーンに入り、ホームランになる確率が跳ね上がるというものです。ちなみに今回のHard%の定義は下記となります。

ゴロ・フライ・ライナー(フライナー)別にHangtime(フライ/ライナー/フライナーは滞空時間or打球を取るまで、ゴロは打球を取るor内野の間を抜けた時間)を基準にしてSoft%/Mid%/Hard%を分類。
出典:1.02 – Essence of Baseball

今回は開幕3連戦のHard%の上位を規定打席到達者から見てみます。下位はちょっと多いのとあまり傾向が出ないかなと思い割愛しています。

上位5名

順位名前チームHard%打率wOBA
1外崎修汰西武0.833.222.420
2木下拓哉中日0.75.500.433
3バレンティンソフトバンク0.714.250.250
4岡本和真巨人0.667.500.608
4堂林翔太広島0.667.308.266
4栗原陵矢ソフトバンク0.667.357.397

上位5名をピックアップしました。フライ割合に比べると良い打撃成績の人が集まっているかなと思います。特に木下拓哉と岡本和真は打率、wOBA共に球界で見てもかなり上位になっており、Hard%の高さが功を奏していると思います。

ちなみに木下も岡本も2019シーズンのHard%は30%台でしたので今シーズンは打数は少ないとは言え、昨シーズンよりもフルスイング出来ているのではと思います。木下はまだ年間の規定打席に到達したことがないので今年は活躍が期待されます。

■投手編

・ストレート平均球速

今度は投手編になりますが、打球速度に続いてストレートの平均球速を取り上げたいと思います。もちろん球速だけでなくコントロールや変化球などピッチングには色々な要素が必要ですが、ストレートが速ければ速いに越したことはないわけで。現にMLBでもストレートの平均球速は年々速くなっています。

そこで開幕3連戦のストレート平均の上位を規定投球回到達者から見てみます。

上位5名

順位名前チーム平均球速防御率FIP
1サンチェス巨人150.81.597.14
1森下暢仁広島150.80.001.65
3国吉佑樹横浜150.59.0011.42
4菅野智之巨人150.42.572.65
5山本由伸オリックス150.10.00-0.07

上位5名をピックアップしました。評価指標として防御率とFIPを採用しました。

1位は同率2名いて1人は巨人のサンチェス、もう1人は広島の森下暢仁で平均球速は150.8km/hと150km/hを超えてきています。森下は新人王大本命と言われるだけあってさすがですね。3位には上位5名の中で唯一のセットアッパーの国吉。4位は菅野智之、5位は山本由伸となっています。上位5名は全員平均で150km/hを超えてきています。

評価指標で見ると国吉以外は防御率はかなり優秀な数値となっています。FIPで見ると国吉に加えてサンチェスが芳しくなく、サンチェスは5イニングしか投げていないのに与四球が4つもあったのが大きかったです。

菅野がフォーム変更で球速が3km/hもUP!?

ちなみに菅野智之についてはまだ球数が少ないのもありますが昨年のストレートの平均球速は147.1km/hでしたので約3km/h近くの球速UPとなっており、フォームを変えた成果が出ているのではないかと思います。他にもツーシーム、カットボール、スライダーなど軒並み3km/h以上球速UPしています。

まだ開幕して3試合の数値なのでこれからどうなるかはわからないですし、今回取り上げた数値がたまたまの可能性もありますが、今シーズンはこのような数値を見ながら野球を見てはどうでしょうか、という1つの提案でした。

今日からまた違う対戦カードが始まるのでガッツリ見たいと思います。

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