よくスポーツの世界では「ベテランと若手の融合が必要」という言葉が聞かれます。これは単に若い人たちだけでは経験不足を補えないし、ベテランばかりでは体力的な面でという、「フィジカルとメンタルのバランスがチームとして取れている必要がある」という話の1つかと思います。
さて、そこで実際にベテランと若手が融合しているチームの方が強いのか、それとも若手ばかりorベテランばかりの方が強いのかをJリーグのデータで見てみたいと思います。若手やベテランの定義がなかなか難しいところではありますが、今回は単純に年齢で見てみたいと思います。
なお、Jリーグを対象としたのは野球よりもサッカーの方が90分間走り続けるというフィジカル的な要素が強く、年齢による差がわかりやすく出そうだなと思った次第です。
調査対象:2012-2019年のJ1各チームの平均年齢と勝点
※2017&2018の平均年齢が取れずで除外
グラフにしてみるとこんな感じになりました。見るからに相関関係はなく、若手ばかりorベテランばかりが強いというのはなさそうです。ちなみに相関係数は0.058なので数値的にも相関はないと言えます。
ただ、勝点70以上については平均年齢が27と28歳に集中しているのがわかるかと思います。ちなみに平均年齢が最も低くて優勝したのは昨年2019年の横浜FMの25.5歳。逆に平均年齢が最も高くて優勝したのは2015年のサンフレッチェ広島の28.8歳でした。一応、調査対象期間の最多勝点のチームと平均年齢をまとめておくと、
2012年 サンフレッチェ広島/平均26.9歳/勝点64
2013年 サンフレッチェ広島/平均27.1歳/勝点63
2014年 ガンバ大阪/平均27.1歳/勝点63
2015年 サンフレッチェ広島/平均28.8歳/勝点74
2016年 浦和レッズ/平均28.5歳/勝点74 ※年間王者は鹿島
2019年 横浜FM/平均25.5歳/勝点70
という感じに。サンフレッチェ広島は2012年から2015年に掛けてはほぼ1年ずつ平均年齢が上がっていますので、チームの主力メンバーが残ったまま戦力を維持して強さをキープしたという印象が強いかと思います。
また、今回の全調査期間の平均年齢は27.5歳でしたので、昨年の横浜FMを除けばほぼ平均年齢のチームが優勝しているとも言えます。
まぁというかグラフ見ればわかると通りで若手ばかり、ベテランばかりというチームは少ないですね。平均年齢が25歳以下と30歳以上のチームは、
2013年 湘南ベルマーレ /平均24.1歳/勝点25
2013年 清水エスパルス/平均24.8/勝点50
2015年 ヴァンフォーレ甲府/平均30.1歳/勝点37
2014年 ベガルタ仙台/平均30.2歳/勝点38
となっており、勝点50が最高なので苦戦しているのがわかります。
今回の結果を見るに優勝しているチームがほぼ平均近くなので「ベテランと若手の融合が必要」とは言えますが、サッカーは平均選手寿命が2-3年と言われ、30歳以上は全体の2-3割ぐらいなのでそこまで年齢のバラツキが多くないというのもあるかもしれません。
別の機会にプロ野球や他のスポーツについても調査してみたいと思います。