サッカーでも「打席に立ち続ける」の格言は本当なのか検証してみた

  • 2020年5月7日
  • 2020年5月7日
  • Soccer

以前にこんな記事を書きました。

「打席に立ち続ける」の格言は本当なのか検証してみた

プロ野球において打席数と選手の貢献度や年俸との相関はあるのかという内容です。詳細についてはぜひ上の記事を読んでもらうとして、今回はサッカーでも同様の検証を行ってみたいと思います。

ちなみになぜサッカーでも思い立ったかと言うとちょうどベップ(グアルディオラ)の本を読んでいたことがきっかです(笑)

本の内容についてはこここでは割愛するとして、今回は野球の「打席」をサッカーでは「シュート数」に置き換えて見ていきたいと思います。

調査方法:
プレミアリーグの2018/19シーズンのシュート数が38以上の選手で絞り、さらに年俸のデータが揃っている選手を対象。
なお、シュート数を38にしたのはプレミアリーグの全節が38試合なので1試合に1回以上をシュートしていることを条件としたため。
※シュート数の下限が低いと主な評価項目がシュート以外のDFなども多く入ってくる可能性が高まるため。

シュート数と年俸の相関関係

縦軸が年俸(単位:100€) ※なのでグラフの1番上は約20億円
横軸がシュート数

かなりきれいなグラフになっており、相関係数は0.504。直感的にも数値的にもかなりの相関があり、やはりシュート数と年俸はかなりの相関関係にあることが言えるかと思います。つまり、シュートを打ててば打つほど選手の評価(≒価値)は上がっていくことになります。というわけでサッカーの「打席に立ち続けるの格言は正しい」という結論に。

めでたしめでたし…とそんな簡単に終わるわけがありません。そもそもでシュート数じゃなくてゴール数と年俸の相関があるのかも気になりますよね。そこでゴール数との相関についても調べてみました。

ゴール数と年俸の相関関係

縦軸が年俸(単位:100€) ※なのでグラフの1番上は約20億円
横軸がゴール数

今回もシュート数同様にグラフ的にもかなりキレイになっており、相関係数はさらに上がって0.549。やっぱりシュート数よりもゴール数の方が選手の評価により直結するというのは納得が行きますし、上のシュート数のグラフのように年俸が高いのに横軸が低いというのもほぼなくなりつつある状況に。

シュート数のグラフの1番左上はマンチェスター・ユナイテッドのアントニー・マルシャルなのですが、彼はシュートを39本しか打っていませんが、ゴールの数は10本でシュート数に対するゴール率は25.6%。この数値は今回の調査対象となった選手の中で1位です。シュート数で見れば年俸が割高と見えるかもですが、ゴール数で見れば納得の年俸ということになります。

その逆はシュート数のグラフの1番右下のフラムのアレクサンダル・ミトロヴィッチ。彼はシュートを131本打ち、そのうちゴールの数は11本でシュート数に対するゴール率は8.4%。これはマルシャルの約3分の1の数字です。シュートを数多く打ったから必ずしもたくさんゴールになるわけではなく、良いシュートを打つ必要があるというのがわかります。

では「良いシュートってなに?」という問に対して、取れるデータの中から答えるとすると「枠内に飛んだシュート」あたりが回答になるかなと思います。そこで枠内シュート数と年俸の相関についても見ておきたいと思います。

枠内シュート数と年俸の相関関係

縦軸が年俸(単位:100€) ※なのでグラフの1番上は約20億円
横軸が枠内シュート数

またまた今回も上2つのグラフ同様にかなりキレイになっており、相関係数はさらにさらに上がって0.615。数字だけでみればシュート数よりもゴール数よりも枠内シュート数の方が年俸との相関が高いという結果に。実際の年俸査定がどうかは知りませんが、まぁ確かにシュート打った後はキーパーのファインセーブなど運が悪かったということもありえるでしょうし、どちらかと言えばきちんと枠内にシュートを打てているかまでが評価されていると考えるのであればそこまで大きな違和感はありません。とはいえ、ゴール数よりもグラフがキレイで相関が高いというのはちょっと意外でもありますが…。

というわけでサッカーでも「打席に立ち続けるは正しい」と言えるかな思います。サッカーもWARみたいな指標があればそれでも見てみたかったのですがないみたいなのでできず…もしあれば教えてください。
ただ、ベップの本を読んで思ったのが欧州サッカーはそこまで年俸交渉が激しい感じがなく、むしろ移籍交渉の方が厳しいので年俸はある程度いい感じに収束している気がします。実際、今回のプレミアリーグの全選手の年俸を見ましたがずば抜けて高い選手はおらず、ある意味でよくまとまっているなという印象でした。

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